映画館の思い出

映画館の思い出

静岡県内に在住の方や県内出身の方に、
映画館やそこで観た映画についての思い出を寄稿していただきました。


30代 女性(ライター)/ 伊豆の国市出身
子どもの頃、「映画を見る」イコール「沼津の映画館へ行く」でした。実家がある伊豆の国市には当時、映画館がなかったからです。あの頃、映画を見に行くというのはちょっとしたイベントで、いつもよりおしゃれをして、高揚した気分で出かけたのをよく覚えています。沼津の映画館で見た映画のなかで、ひとつ、特に印象に残っている映画があります。女優・原田美枝子さん主演の『愛を乞う人』です。虐待を受けながらも母を慕う娘が、母の髪を櫛でゆっくりとかすシーンは鮮明に覚えています。ちょうど思春期まっただ中で、親との関係に悩んだ時期だったから余計に印象深かったのかもしれません。娘を虐待する母と、母に虐待された過去を持つ女性を一人二役で演じた原田美枝子さんの演技も素晴らしかった。忘れられない、大切な思い出です。